バケバケ
「たまに絶対そこに置いといたってモノが無くなる時あるだろ?」
「うん。」
たしかによくある。
そんで忘れたころに出てくる。
「それってバケバケになってる可能性が高いんだ。」
「えっ!…そしたらバケバケっていっぱいいるってことに…」
「そうだよ。だから危険なんだ。」
「でももしそうなら今頃あちこちでニュースになってるはずじゃ…」
「見えないから…」
「?」
「普通の人にバケバケの姿は見えないから、騒ぎになったりはしない。」
「……」
でも、私見える…
トキっていう女の人も、
目の前にいるシイも。
「でもたまにいるんだよ、洋子みたいな…見える人。」
「見える人?」
「まぁとにかく!」
シイは突然立ち上がった。
「トキが動き出した今、何が起きてもおかしくない。」