バケバケ
「君を僕から守ろうとしたみたいですよ?まぁ、見ての通り失敗しましたが。」
「……」
金色に光ったのは髪の毛だった。
髪の間から白い肌が見える。
「エレジー…」
「馬鹿な女ですね。君が僕の手にかかる前に…と、空間移動でここに直接乗り込んできたんですよ。」
「……」
「傑作だ。戦闘向きの力でもないのに…」
「…黙れ。」
「楽しかった。この真っ白な肌に傷をつけるのは…」
「…黙れって言ってるだろ!」
「おっと、怖いですね。」
シグはドラム缶から降り、ゆっくりこちらに近づいてくる。
「それで…ここに来たということは再び僕たちの側に来るということでいいんですよね?」
笑顔を見せるが、シグの目はまったく笑っていない。
「…いや、今日は断りにきたんだ。俺はもう、お前らに手を貸したりしない。バケバコは責任持って俺が全部壊す。」
「……」
「全部終わったら……エレジーと二人で静かに暮らしたいんだ。」