バケバケ
「……?」
突然シグの様子がおかしくなった。
「…どうやら三好くんが失敗したようですね。」
三好…?
バケバケはあいつだったのか…
そいつが失敗ってことは…
勝ったんだ、シイたちが…
「バケバコも壊されたようですね…」
シグはカサを引っ込めた。
「楽しい気分がぶち壊しですよ…」
シグは不満そうな顔をして吐き捨てるように言った。
「よかったですね、灰音くん。今日はもう帰ることにします。」
「え…?」
シグは俺に背を向け、カサを引きずり歩いて、そのまま出口に向かった。
「さようなら、また来ますよ。」
そういって姿を消した。
…なんなんだあいつ。
けど、助かった。
俺は這ってエレジーのところまで行った。
よかった。
気を失ってるだけだ。
「エレジー!おーい、しっかりしろ。」
「ん…」
エレジーが目を覚ました。
「ハイネ?」