バケバケ
1.大事なこと
1.大事なこと
「洋子ぉーー!」
愛空幼稚園の事件から2週間が過ぎた。
今日は終業式。
夏休みを迎えようとしていた。
生徒たちが講堂に集められ、校長先生の話を聞く。
今はそういう時間だ。
なのに…
「なんで真央がここにいるの…?」
「洋子ぉ、聞いてよー」
「ちょっと真央7組でしょ?戻りなよ。」
どこから潜り込んだのか7組の真央が私のクラス、2組の列に紛れ込んでいた。
「だって、洋子も瑞穂も莉子も2組だから…」
「真央!あんた何してんの!?」
私の後ろの列の瑞穂が真央を小声で叱った。
「あのね、見てこれ。」
真央が雑誌の切り抜きのようなものを瑞穂に差し出した。
「…なに?」
瑞穂が目を通したあと、私に回す。
『中森千秋、奈古美に来る!』
「中森千秋?」
「そう!すごくない!?」
真央は完全に興奮状態だった。
中森千秋…?
なんか聞いたことある名前。
「だれ?」
「えー!千秋くんだよ、今大人気のアイドルグループplanetの!」