バケバケ
「ちょっと、真央声でかい…」
「芦田ぁー!」
あーあ、先生に見つかった。
真央は先生に引きずられながら7組の列に帰っていった。
「月9の主演の人だ。最近テレビでよく見るよね。」
気がつくと、莉子が私の手から切り抜きをとって見ていた。
「あ、莉子。」
「中森千秋って奈古美市出身なんだー。へぇー、それで来るってわけね。」
「で、わざわざこんなこと報告するために来たのか、アイツは。」
瑞穂がため息をつく。
新しいもの好きの真央らしいや。
「どうする?洋子、真央行きたそうだったけど。」
今週の日曜日か…
「いいよ、面白そうだし…行こっか。」
「ただいまー」
終業式も終わり、家に帰宅。
「…ただいまー」
…何も返事がない。
お母さんは仕事なんだろうけど…
シイもいないのかな?
「シイー?」
おかしいなぁ、どっかでかけたのかな…
階段を上がってシイの部屋のドアを開けた。
「あ…」