バケバケ
私はただ口を開けたまま、シイの顔を見上げていた。
「あいつは天才だ。見ただろ、あのバケバコってヤツ。」
私の頭にあの黒い箱が浮かんだ。
人間を永遠に閉じ込める箱…
「あんな危ないもんが出回ったら大変だ…やっかいなことになる前にトキを捕まえないと。」
シイは自分に言い聞かせているように見えた。
なんだか信じられない話だ。
自分の身の回りで不思議なことがたくさん起こる。
昨日までは普通の生活をしてた。
それが今は…
やっぱり実感がわかない。
私はこれからどうなるんだろう。