バケバケ




「そうだな…言わなきゃだめだよな。」


先に口を開いたのはシイだった。


「この前の話…シイには持ち主がいないって…」


「…そうだよ。俺の持ち主だった人は亡くなったんだ。」


「……」


「洋子もよく知ってる人だよ、俺の持ち主だった人は…明仁さんだ。」


明仁…?


「おじいちゃん?」


シイが頷く。


おじいちゃんが…
シイの持ち主だった…?


だからお葬式にシイが来たんだ。


「それから…能力のことも話しておかなきゃな…」



シイは指についたマヨネーズを舐めながら、皿を片付け始めた。


「洋子は…俺の能力何だと思った?」


「えっ、えーと…」

シイは水で皿を流し始めた。


「…瞬間移動?ではないんだよね?」


黄金の時も、三好先生の時も、シイは一瞬消えて敵の真後ろに現れて見せた。


「うん、違うね。…三好先生の能力が若干近いかも。」


「三好先生の…?」


たしか…触れた対象を抉りとる…


とか物騒な能力だったような…


それがシイの瞬間移動みたいな能力に関係が…?


「どういうこと?」




< 212 / 469 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop