バケバケ




「つまり…三好先生の能力の原理って砂だったんだよ。

そんなに俺の体に触れてないのに傷が深かったのも、傷の治りが遅かったのも、砂が俺の体に入って攻撃してたから。」


「…シイの能力も砂ってこと?」


「砂っていうか粒子かな?砂よりもっと細かい。」


「粒子?」


「そう。瞬間移動に見えたみたいだけど、あれ実は体を粒子化して見えないようにしただけなんだ。」


体を全部細かい粒にする…
たしかに、そうすれば消えたように見える…


「あれは?…あれはどうやったの?シイの傷の回復を砂が邪魔してたはずなのに、最後には治ってたじゃん。」


「あぁ…簡単だよ。俺の粒子の方が成分的に砂より軽いから、粒子化した際に砂だけ地面に落ちちゃったんだよ。」


…そっか。


あれ?


今なんか気になること言ったな…


「シイ…シイってなにで出来てるの?」


「…へ?」


「今砂より軽い成分で出来てるって言ったよね?」


「……それは…」


私、今変なこと訊いてる気がする。


けど、ここを逃しちゃいけないと思った。




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