バケバケ




「シイって何のバケバケなの…」


「……」


シイの皿を磨く手が早くなった。


下を向いて黙々と皿を磨いている。


なんか…隠してるな。


「シイ!」


「!」


「何のバケバケなの!?」


「…まだ…まだ言えない。」


「……」


また…?


どうしてシイは私に隠すんだろう。


一応、一緒にバケバコ壊すパートナーのつもりだったのに…


「わかったよ。」


「ごめん、けど…!時が来たら絶対に話すから!!」


「うん。」


本当は契約だとか、黒い炎のこともききたかったけど…


まぁ、多少話してくれたし、信じてもいいかな。


「あ、そういえば…」


「なに?」


私は日曜日のことを思い出した。


シイはテレビ好きだから、中森千秋って人のこと知ってるかも。


「日曜日、奈古美市に中森千秋が来るんだって。」


「…中森千秋?」


あれ…?


やっぱ知らないか。




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