バケバケ
「君たち、バケバコ壊して回ってるんだってね?」
「!」
いきなり核心…
どうしよう…
「あの…バケバコを知ってるんですか?」
「うん。ちょっと待って。」
中森千秋は席をたち、大きなボストンバックを漁り始めた。
「あった、あった!」
そして取り出したものを机の上に置いた。
「!」
机の上に置かれた黒い箱は紛れもなくバケバコそのものだった。
シイが立ち上がる。
「うわっ!どうしたの?落ち着いてよ。」
中森千秋は目を丸くしてシイを見上げている。
「その箱、どこで手に入れたんだ。」
「どこって…そうか。…悪くないな、それも。」
中森千秋はしばらくぶつぶつ呟いたあと、うれしそうに笑った。
「内緒だよ!」
「内緒って…」
「だって何て言ったって君たちこれ壊すんでしょ?じゃあ内緒だよ。」
「……」
「壊したいなら力ずくで奪ってみたら?」
中森千秋はどうやら敵だったようだ。