バケバケ
ってことはこの人も…?
「改めて自己紹介しておこっかな。僕は中森千秋。千秋って呼んでよ。」
中森千秋が私に握手を求める。
「私は…坂本洋子です。」
「よろしく、洋子。堅苦しいし、たぶんタメだから敬語なしでいいよ。」
「…うん。」
「そんで…」
千秋は隣に立っている男の人を見た。
「こっちは燕。僕のマネージャー兼、執事なんだ。」
「……執事?」
「うん、中森家に代々仕えてる専属執事。仕事上非公開なんだけどね、僕ん家お金持ちなんだ。」
「そうなんだ。えっと…隣にいるのはシイ。」
「シイもよろしく。さっきは燕がごめんね。」
千秋がシイに手を伸ばし、握手をした。
「さて、自己紹介はこの辺で。本題に移ろうか。」
千秋はTシャツの袖を直しながら話し始めた。
「これでわかったと思うけど、僕は君たちと同じでバケバコを壊してる。」
「仲間ってことか?」
「そうだね。最近この辺りにバケバコ壊してる人がいるって聞いて、探してたんだよ。」