バケバケ


「……。」


突然、俺を叩く手を止めて、エレジーは静かになった。


「どうした?」


「ねぇ、ハイネ…」


「んー?」


エレジーの腕の力がきつくなった。


そして、エレジーは俺の背中に顔を埋めた。


エレジーの表情は見えない。


でも、なんとなく泣いてるんじゃないかと思った。


「私ね…別にペアネックレスが欲しいわけじゃないの。」


「……。」


「ただ…ハイネと繋がっていたいの。」


俺はぼうっと薄暗い部屋で光っている、目の前のパソコンの画面を見ていた。


「ハイネが…いなくなっちゃうんじゃないかって……シグはきっとまた来るわ…そしたら、今度こそ…」


俺はエレジーの白い手を握り、俺の首からほどいた。


そして、回転椅子を回して座ったまま、エレジーと正面で向き合った。


エレジーはあわてて顔を隠した。


「やっぱアホだ!」


「……?わ、私は真剣に…」


「お前俺がシグに付いて行くと思ったのか?それとも俺がシグに負けると思ったのか?」


「……」




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