バケバケ



「その男の人今日はまだ来てないの?」


「まだだってさ。いつも夕方ごろに来るらしい。」


灰音はスウェットのポケットから携帯を取り出して時間を見た。


「今…5時40分。もうすぐ…かな?」


「ふーん。」


私は店の入り口の方を見た。


「あ。」


スーツ姿の男の人が店の中に入ろうとしてるところだった。


「灰音!!あの人じゃないの?」


「……わかんない。けど怪しいな。…エレジー、ちょっと話かけてきてくれよ。」


「私が!?」


「もしお前の姿が見れたならあの男はバケバケが見えるってことだからな。」


エレジーは少し嫌そうな顔をしたが、渋々頷いた。


「わかったわ、行ってくる。」


エレジーは男の人に近寄って行った。






エレジーが男の人を呼び止めた。


男の人は驚いた様子でエレジーを見ている。


どうやら男の人はエレジーの姿が見えるようだ。


しばらく経つと、エレジーは男の人を連れて帰ってきた。




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