バケバケ
「あのあとどうなったの?」
「双子のバケバケは力を全部使いきって元のモノに戻ったよ。」
「…そうなんだ。」
「……」
ステ神のことは…まだ言わなくてもいいか。
「洋子…」
俺は洋子の隣に座った。
「なに?」
「…ごめん。本当に…こんな目に合わせて…」
「なんでシイが謝るの?私が勝手にやったことなのに。」
「でも…俺がもっとちゃんとしてればこんなことにはならなかった。…怖かっただろ?」
洋子は少し考えて、首を横に振った。
「怖かったとかわかんないよ。気が付いたら飛び出してた。」
洋子が笑う。
その笑顔を見て、俺は思った。
本当に洋子のためになることって何なんだ。
なるべく洋子を巻き込まないことか?
俺は洋子を危険な目に遭わせたくないがために、洋子にほとんど情報を与えなかった。
洋子を持ち主にしたくなかった。
けど、それは本当に洋子のためだったのか?
自分が怖かっただけじゃないか。