バケバケ
僕は話題を変えるように、ソファーにうつ伏せになったまま燕に聞いてみた。
「さっきシイも洋子もいいやつって言ったじゃん?」
「あぁ……言ったな。」
「本当にそう思う?」
シイも洋子も人はいいんだと思う。
たぶん。
けれどちらほら疑問がある。
「…黒い炎の話か。」
「うん。」
シイが使ってた黒い炎。
本物を見るのは初めてだ。
昔聞いたことがある。
黒い炎は人間に強い恨みを抱いたバケバケの証拠だって。
人間に復讐するための力を欲したバケバケが契約するらしい。
なぜシイが契約しているのか…
それにもう1つ…
「洋子が連れてきた二人…あれ神崎灰音とそのパートナーのエレジーでしょ?」
「…どこかで見たことあると思ったが……やはりそうだったか。」
「なんでバケバコを壊す側のシイと洋子があの二人とつるんでるの?」
「…それは……わからない。」