バケバケ
「房枝さんを想うように…かぁ。」
昭仁は時計を胸元で握りしめ、目を閉じた。
「俺、房枝さんのこと考えるとすごく幸せな気持ちになるんだー。」
そう言う昭仁は本当に幸せそうだった。
よほど房枝とやらが好きなのだろう。
悪いことをしてしまった。
だがこれだけ昭仁が愛しているのだ。
きっと房枝も気持ちは分かってくれるはずだ。
「神様ー?」
「なんだ。」
「これ、次はどうする?」
「…もうよい。それだけだ。」
昭仁が目を開ける。
瞳が輝いている。
「よーし、じゃあ行ってくるよ!ありがとう神様!!」
「あぁ。達者でな。」
昭仁は時計を肩から提げていた布の鞄にしまおうとした。
その時、異変が起きた。
時計が光り出したのだ。
「神様、なんか時計が…熱っ!!」
昭仁の手から時計が落ちる。
時計は地面に当たり、さらに強い光を放った。