バケバケ



まずい…これは…


「昭仁、時計から離れろ!!」


「え?」


白い光の中に影が浮かぶ。


「な、なに?」


「お前の想いに時計が反応してしまったのだ。」






光が引いていく。


そして、長い黒髪の女が現れた。


しまった…


昭仁の想いがバケバケを生んでしまった。






女の瞳に昭仁が映る。


「私を生んだのはお前か。」


「…だれ?」


「我が名はトキ。お前の愛…受け取ったぞ。」


トキと名乗る女のバケバケはボクの存在に気がついた。


「…女?……昭仁は私を愛しているのだろう?…なぜ隣に女がいる?」


「え?えーと…」


昭仁は全然状況を掴めていないようだ。


トキがボクの方を睨み付ける。


「お前…昭仁を誘惑して…」


「違う、ボクは…」


「…赦さん!」


トキの周りに巨大な真っ黒の竜巻が渦巻く。


「な…」


なんて力だ。


昭仁はこんな強力なバケバケを生み出してしまったというのか。




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