バケバケ




「昭仁…私はお前を愛している。」


トキが昭仁に近付く。


「えーと…ごめんなさい。俺、房枝さんが大好きなんだ。」


…馬鹿野郎!


このタイミングでそんな話したら…


「房枝…だと?……消してやる。……そんな女…私がこの手で!!」


いかん、行ってしまう!


トキは本当に房枝を殺すつもりだ。


こうなったら…


トキを封印するしかない。





ボクは懐から封印の札を取り出した。


ボクの力じゃどうなるかわからんが…


やるしかない。


ボクはトキに向かって札を放った。


「闇に潜みし黒き炎よ…!我に力を…その業火で永遠の闇に引きずり込め!」


札が黒く燃え上がり、黒い炎がトキを包む。






「ああぁああぁぁあっ!!」






トキの姿は黒い炎で見えなくなった。


やがて火が消え、そのあとにはあの時計だけが残った。


ボクは時計を拾いあげ、昭仁に渡した。


「神様、さっきの人は…」


「封印した。大丈夫だ、もう出てくることはない。」




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