バケバケ



神は自分の人差し指を俺の手の甲に押し当てた。


「っ…!」


指の触れた部分が燃えるように熱い。


神が指を離すと、俺の手の甲に、黒い炎のアザのようなものが浮かび上がった。


「これは…?」


「黒い炎の契約の印だ。」


これが…


俺は黒い炎を指でなぞってみた。


「ありがとう。」


「礼には及ばん。その力、制御にかなり時間がかかるぞ。」


「どのくらいだ?」


「…10年といったところか。」


「10年…か。ちょうどいい。」


あいつから与えられた時間も10年だ。


「それと、力の使いすぎに注意しろよ。その炎が体全てにまわった時、お前は黒い炎に焼かれて死ぬ。」


「わかった。…他には?」


「もうない。さぁ、わかったら出ていけ。ボクは今から昼寝の時間なのだ。」


「ありがとう。」






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