バケバケ




おじさんはそんなギンをニヤニヤしながら見ていた。


「そうかい、洋子ちゃんね。まぁ今日はゆっくりしていってくれよ。」


「は、はい。」


おじさんは笑顔でそういうとカウンターに戻り、バスタオルを三枚抱えて戻ってきた。


「はいよ。」


私たちひとりひとりにバスタオルを配る。


「え…これは?」


「あぁ、まだ説明してなかったな。ここはバケバケやその持ち主が使う風呂屋なんだ。」


「風呂屋!?」


言われてみればそんな感じだけど…


外に煙突もあったし。


「そう。それでこの人はここの店主の松本さん。……松本さん、今日はどっちが…」


「今日は左側が男湯、右が女湯だよ。」


「ありがとう。…じゃあ。」


シイは左の方の入り口から入っていった。


「私たちも行くわよ。」


ギンはもう右の入り口に入っている。


「うん。」


私も右の入り口に入る。






こうして、バケバケの調査に来た私はなぜかお風呂に入ることになってしまったのだった。





< 337 / 469 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop