バケバケ
「だから言ったじゃん怒られるよって。」
「……言っただろ、…止めておけと。」
千秋と燕が冷めた目で灰音を見る。
なんだ、千秋たちと灰音仲良くなったのか。
「俺だってまさかシイに怒られるなんて思ってなかったよ。怒るとしたらエレジーだと思ってたし!」
「エレジーも来てるのか。」
「あぁ。アイツここ好きでさ、よく来るんだ。」
「じゃあ単に風呂入りに来ただけか。」
「そうだよー。」
「千秋と燕は?」
「僕たちはバケバコ壊しに来たんだよ。」
バケバコを…やっぱり神隠しはバケバケの仕業だったか。
「それで、何か情報は掴めたのか?」
「うーん、いまいち。かなり素早いらしくて目撃情報も曖昧なんだよ。」
「そうか。」
やっぱり犠牲者が出る前に地道に探していくしかないか。
「しかも素早いならすぐ捕まえないと逃げられる…」
「そんな深刻な顔すんなよ、俺も協力するし。」
灰音がピースサインをする。