バケバケ




「ホントに胡散臭いな、お前。」


三好先生ん時も最後いなかったし。


「もっと信用しろって。」


「はぁ…。てか店いいのかよ、…アンティークショップだっけ?経営してるとこ見たことないけど。」


「いーんだよ。今日は臨時休業。」


「あっそ。」


「つーかお前こそ何しに来たんだよ。洋子も来てるんだろ?デートか?」


「…遊びに来ただけだ。」


…なんかコイツと話すと無駄に疲れる。


そんな俺をよそに灰音はどこからか酒を取り出した。


「おい、飲食禁止だぞ。」


「お堅いなぁ。」


灰音はビンをそのまま、ラッパ飲みを始めた。


そして俺にビンを突き出す。


「飲む?」


「飲まない。」


もう勘弁してくれ。


ふと千秋を見ると風呂の中で泳ぎ始めていた。


しかもメドレーだ。


さらに灰音は酒が回ったのか歌い始めた。


…お前らやりたい放題か。


燕だけが静かに湯に浸かっている。




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