バケバケ



「燕…」


俺は灰音から逃げるように燕に近寄った。


「…………。」


「燕って大人だよな。」


「…………。」


「クールだし、あいつらと違って…」


「…………。」


「燕…?聞いてるか?」


「……………。」


―バシャン!―


「!?」


燕が突然湯の中に沈んだ。


「お、おい!?」


急いで燕の体を湯から引っ張り出す。


「…………。」


……燕…寝てんじゃねーか。






よし、俺はもう出る。




燕を担いで湯から上がろうとするが意外に重くてあがらない。


初対面からでかいとは思ってたけど一体身長いくつあるんだ。


「千秋…お前のマネージャー水死するまえに水揚げするから手伝え。」


「りょーかい!」


千秋が犬掻きでこっちに向かう。


二人がかりでようやく脱衣場まで引っ張り、中央のベンチに寝かせた。


灰音は風呂場に置いてきた。


「はぁ…」


俺は服を着て、燕を寝かせたベンチの隣のベンチに座った。


千秋は扇風機で髪を乾かしている。




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