バケバケ
「神隠しの噂だけど…」
ふいに千秋が切り出した。
「今の時点で神隠しにあった人はみんな女子高生みたいだよ。もう五人は消えてる。」
「五人も?そのわりに世間じゃ騒がれてないみたいだけど。」
女子高生が五人も消えたらもっとニュースでやってもおかしくない。
「警察に届けも出てるらしいけど、家出じゃないかってことになってる。」
「家出か…」
「五人とも前日に親と揉めてたみたいなんだ。それに服みたいな日用品も消えてるらしい。」
「それ…ホントに家出なんじゃないか?バケバコ絡みじゃなくて。」
「僕もそう思ったんだけどね…そんな立て続けに家出なんかするかなぁ。念のために調べに来たんだけど…」
「うーん…」
「そんで情報探してるうちにここに行き着いて…灰音たちに会ったんだよ。」
「…それは災難だったな。」
「向こうは調査しにきた訳じゃないらしいけど…なーんか引っ掛かる。」