バケバケ
「引っ掛かるって?」
「シイ、知らないの?灰音とエレジー…あの二人が何者なのか。」
「何者って…」
たしかに二人は謎が多い。
灰音はバケバケの研究者だって言ってたけど…
かなり詳しいし、エレジーの能力を自分のもののように応用する。
あの扉型の移動手段といいかなり高度にだ。
「俺、灰音のこと全然わからない…」
「僕も詳しくは分からなかったから、灰音たちとこの銭湯来たのは監視のつもりだったんだよ。」
「監視?そんな危険人物なのか?」
「危険っていうか…」
「なんだよ。」
千秋は少し考えて、決心したように顔をあげた。
「灰音は……」
―ガラッ
「シイ!コーヒー牛乳飲みに行こーぜ!!」
風呂上がりの灰音の声が脱衣場に響く。
「灰音…」
なんて空気の読めないやつだ。
それっきりで、その話は終わった。