バケバケ
ヒノキさんに千秋をオススメする。
「人間のアイドルですよ?」
「まぁ!!かわいらしい!」
悪い、千秋。
俺の身代わりになってくれ。
ヒノキさんに見すくめられた千秋がビクッと体を震わせる。
「女の子みたいねぇ。………けどぉ……」
ヒノキさんはバッと俺の方を見て両手で俺の右手を握った。
「あたしはシイが一番だからね!!」
「………」
今日はなんでこんなに災難ばかりに遇うんだ。
「おーい、コーヒー牛乳!」
カウンター横のベンチで伸びていた灰音がだらしない声を出す。
「あらら?こっちは灰音じゃないの。今日はエレジーちゃんと一緒?」
「んー?あぁ、ヒノキか。エレジーも一緒だよ。」
「それは嬉しいわ。」
嬉しい…?
「なんだ。ちゃんと女にも興味あったのか。」
「やぁねぇ、エレジーちゃんは同性のオトモダチよ!」
「いや、同性ではないだろ。」
「恋バナとかしちゃうのよー!」