バケバケ
「私は今日はラベンダーにするわ。」
ギンが紫色のラベルのボトルを取る。
「私は…」
…どうしよう。
白いラベルのボトルに目が止まった。
「カモミールにしようかな。」
「いいわね。」
二人で髪と体を洗い、さっそく浴槽に入る。
「ジャグジーもついてるんだね。」
「そうよ、ヒノキ姐さんのこだわりなの。」
「ヒノキ姐さん?」
「あぁ、松本さんのパートナーのバケバケよ。この風呂屋が出来た時からあった浴槽のバケバケよ。」
「へぇ。」
「金髪で目が青いの。いつも白い服着てるわ。それで…すごく乙女!!」
私はヒノキさんを想像してみた。
白いワンピースに長い金髪。
青い瞳の乙女…
きっとすごく女らしくてかわいい人なんだろうな。
「あら?洋子にギンじゃないのぉ。」
「?」
浴槽の反対側に人がいた。
その人は湯に浸かったままこちらに寄ってきた。
「エレジー!」
「エレジー姐さん!!」