バケバケ
ギンは私の方をちらっと見た。
「私…シイが好きなの。」
……………。
「えぇ!?」
「昔からずっと…シイが好きなの。」
「……。」
私は何て言ったらいいのかわからなかった。
ギンは…シイが好き。
「まぁ、わかるわぁ。シイ、よくよく見ればいい顔してるもの。」
エレジーが笑う。
「……。」
ギンは何も言わない。
どうしてだろう、私も何も言葉が出てこなかった。
「あのさ…」
ギンが切り出した。
「洋子は…シイのことどう思ってるの?」
「え…」
ドキッとした。
心の奥を突かれたような…
シイのこと…
どう思ってるんだろう。
今まで考えたことなかった。
もう、当たり前のようにいつも近くにいてくれて…
最初はただの図々しい居候だと思ってたけど…
私が危険な時はいつも助けに来てくれて…
シイと一緒にいると楽しい。
シイに持ち主になって欲しいと言われた時、嬉しかった。
そうか…
わかった。
私にとってシイは…