バケバケ
「……友達。」
「友達?」
「うん、友達。」
そう、友達だ。
一緒にいると楽しくて、頼られると嬉しくて、当たり前のように隣にいてくれる。
友達だ。
瑞穂や莉子、真央たちと同じ。
「…本当に?」
「本当だよ。」
そう言うとギンはホッとしたように笑った。
「よかった、じゃあ私のこと応援してくれる?」
「え?…あ、もちろん。」
「ありがとう!洋子が友達でよかった!」
友達…
心がズキッと痛む。
小さな刺が刺さったように。
違うの?
だってそうでしょ、シイは友達でしょ?
なんで…こんなに痛いんだろう。
「青春ねぇ、二人とも頑張んなさいな。私は出るわぁ。」
エレジーが湯船からザバッと水しぶきをあげて上がる。
私とギンは声を揃えて言った。
「お、大きい!!」
「何の話かしらぁ、…身長?だったら167よ。」
そう言い残してエレジーは脱衣場に入っていった。
「……負けたわ。」
ギンが悔しそうにつぶやいた。