バケバケ
「…なんだ洋子か。」
「なんだじゃないよ、何でシイが私の布団で寝てるの。」
「…洋子の?」
シイはのそのそと起き上がった。
「家の中うろついてたらちょうどいい布団があったから。」
「あ…」
そうか、シイの分の布団用意されてないんだ。
「どうしよう、シイどこで寝るの?」
「うーん…」
「シイ昔ここ住んでたんでしょ?どこで寝てたの?」
シイは床を指差した。
「ここ。」
「ここ!?」
「そう。昔は昭仁さんが布団敷いててくれてたから。」
「……」
一緒に寝るわけにもいかないし…
かと言って寝るとこないのに追い出すのも気分が悪いし…
仕方ないなぁ。
「私、おばあちゃんに頼んでもう一式布団用意してもらってくる。」
「え?…それは助かるけど…不審がられるんじゃ…」
「大丈夫。何とかなるよ。」
私は部屋を出た。
おばあちゃんはリビングでコーヒーを片手にテレビを見ていた。
「おばあちゃん。」