バケバケ


「洋子の部屋の中の押し入れに布団がもう一組しまってあったはずだよ。」


「わかった。」


「敷こうか?」


「ううん、一人で出来るよ。ありがとう。」






私はリビングを出て部屋に戻った。


「押し入れに入ってるって。」


「そうか、ありがと。」


シイは押し入れの襖を開けた。


寝具一式が入っていた。


「これ…俺が昔使ってたやつだ。」


「そうなの?」


シイは藍色の掛け布団を押し入れから出した。


「うん、間違いない。」


そして敷き布団も押し入れから出す。


「…ねぇ。」


「ん?」


「その敷き布団どこに敷くつもり?」


「……」


「シイ、どこで寝るの?」


「……困ったな、考えてなかった。」


「……」


「さすがにこの部屋で寝るわけにはいかないしな。」


「……」


同じ部屋で寝るのはちょっとね。





あれ…?


でもそれっておかしくない?


…友達なら


友達なら普通同じ部屋で寝るんじゃない?




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