バケバケ
洋子だっていつかは人間の彼氏が出来るんだ。
ひょっとしたら今だって学校に好きな男がいるかもしれない。
わかってるのに…
嫌だった。
洋子に彼氏が出来るのは嫌だ。
一体どうしたいんだ俺は。
洋子の彼氏になりたいのか?
…違う。
そうじゃない。
そうじゃなくて…
わからない。
やっぱりダメだ。
俺じゃダメなんだ。
洋子はいつか人間と結婚して普通の家庭を持つのだから。
一瞬だとしても、なんて自己中なこと考えてたんだろう。
嫌になる。
灰音やエレジーはあぁ言ってたけど俺にはそんな簡単に割りきれない。
俺の気持ちは本当の気持ちじゃない。
そういうことにするんだ。
本当は気がついてたんだろう。
これが昭仁さんの気持ちだけじゃないってことに。
好きなんだ。
ずっと洋子だけが。