バケバケ



あぁ…終わった。


俺今日徹夜だ…






「二人ともどうしたの?」


二人の侵入者に向かって洋子が聞く。


「神隠しの調査。」


「そうなんだ。」


「……犯人は女子高生を狙っている。……洋子…気を付けろよ…。」


「ありがとう、燕さん。」


「でも困ったなぁ。」


千秋が腕組みして言う。


「この辺りにもう女子高生はいないっていうし…手がかりがなくなっちゃったよ。」


「……そうだな。」


燕も相づちを打つ。


たしかに犯人が女子高生を狙うなら、女子高生がいなくなったこの辺りにはもう犯人は出てこないかもしれない。


そうなったらもう捕まえるのは難しいだろう。


それどころか、別の場所でまた神隠しが始まるかもしれない。


犠牲者が増える一方だ。


「じゃあ…」


ふいに洋子が言った。


「私が今その辺歩いてればいいんだよ。」


「?!」


……それって…


「囮ってことか?」


「うん。」


洋子は笑顔で頷く。




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