バケバケ



千秋に洋子の服を着せ、なぜか燕が持ち歩いていたカツラを被せる。


そして囮にする。






「千秋…お前かわいいな。」


灰音がまじまじと千秋を見る。


「え、止めてよ!」


千秋が燕の後ろに隠れる。


俺は灰音とエレジーに作戦のことを説明してやった。






「そういうことねー、たしかにそれなら洋子は安全だな。」


「でも結局犯人が捕まらなかったんじゃ意味ないわねぇ。」


「そうだな!」


そう言うと灰音とエレジーは笑った。


半分はお前らのせいだよ。


「それじゃあ今洋子は安全な場所にいるってわけね。」


エレジーが言った。


…安全な場所に?


「何言ってるんだ洋子なら俺の後ろに…」


「?」


エレジーは俺の後ろを訝しげに覗いた。


「いないわよぅ?」


「え…」


俺は後ろを見た。






…誰もいない。





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