バケバケ
千秋を囮にして、俺と燕と洋子は一緒に木の陰に隠れていた。
…洋子はいつからいなかった?
俺は千秋を見ていて洋子が居なくなったのに気がつかなかった。
血の気が引くのを感じる。
しまった…
やられた!
「洋子!」
叫んで見るが返事はない。
「洋子…」
……まさか神隠しに…
何やってんだ、俺は。
また洋子を危険な目に…
「落ち着け、シイ。とりあえずこの辺探すぞ。」
灰音が歩き出した。
そうだ、落ち込んでる場合じゃない。
まだそんなに時間は経っていない、この辺にいるはずだ。