バケバケ
「シイは力を得るためにある神と契約をかわした。それが黒い炎の契約だ。」
「……」
「黒い炎とは、本来神が人間に天罰を与えるためのものだったのだ。」
人間に天罰…
だからみんなシイの黒い炎を見て、人間の敵だっていったんだ。
「その力を神以外…つまりシイが使うとどうなるのか。さらにもしも人間に罰を与えるための炎を人間を守るために使ってしまったら?」
「……どう…なるの?」
「使用者…シイは使うたびに黒い炎に飲まれていく。」
…この前、シイが黒い炎を使った時、体に出る炎の模様が前回より広がっていた。
「使いすぎれば、やがて黒い炎に全身を包まれる。」
トキは笑った。
ゾッとするくらい美しい微笑で。
「そして…黒い炎に焼かれて……シイは死ぬ。」
「!」
シイが…死ぬ?
私を守ったせいで?
「私の見たところあいつはもう限界だ。今あいつがお前を助けようと黒い炎を使えば確実に死ぬだろうな。」