バケバケ
「もう泣かなくていい、洋子。」
トキが私の頭を撫でる。
「全てを私に委ねろ。そうすれば楽になる。」
私を縛っていた、鎖が全てを千切れた。
金属音を立てて、床に落ちる。
解き放された私は立つ力もない。
そのまま、トキの方に倒れた。
そして、目を閉じる。
このままでいい…
これでいいんだ。
私なんか、もういなくなればいい。
ごめんね、シイ。
今までありがとう。
この鎖みたいに、シイを縛っていたのは私だったんだね。
気が付かなかった。
もう、シイは自由だよ。