バケバケ
足跡はまっすぐ風呂屋のある竹やぶの方に続いていた。
「なんだー?風呂にでも入ったのか?」
「そんなわけないだろ。……よく見ろ、風呂屋に行くのとは違う道を通ってる。」
俺たちは足跡を追って、竹やぶの中に入った。
暗くて湿っぽい。
昼間来たときとは違う場所みたいだ。
「…足跡が…」
竹やぶの奥に来たところで、足跡は消えていた。
「どうする?」
灰音が俺に聞いた。
「引き返すか?」
「いや…進む。」
ここで引き返してはいけない気がした。
こうしている間にも、洋子は危険に陥ってるのかもしれないんだ。
でも、困った。
足跡だけが手がかりだったのに、無くなってしまっては探せなくなってしまう。