バケバケ




「…ギン?」


「嫌だよ、私はシイを傷つけたくないのに…洋子にもあんなひどいことしたくなかった。」


「……」


「……私は…シイとずっと一緒にいたかっただけなのに…」


俺の服にしがみついたギンの指の力がゆっくり緩んでいく。


「もう…ダメだよ。時間切れ。」


「…?」


ギンの体が透けはじめている。


「ギン…お前まさか…」


「トキがね…もしも自分の目的に力を貸してくれたら…私の持ち主探してくれるって言ったの。」


…また


三好先生の時と同じ…


「私…消えたくなかった。だから…」






最後に三好先生を見たあの瞬間が頭を駆け巡る。


…三好先生は消えてしまった。


ギンと同じように、トキに持ち主を探してやると言われて…


同じように…






「なんで…あの時嘘なんかついた!」


「……。」


「なんで正直に自分に持ち主がいないこと言わなかったんだ!」


「だって…」





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