バケバケ
矢印がエレジーに襲いかかる。
「!」
エレジーは目を瞑った。
―ガッ!
鈍い音がした。
トキの矢印が粉々に砕けていく。
エレジーの前には白い壁。
燕だ。
燕の能力がエレジーを守った。
「……ありがとう。」
エレジーは力が抜けたようにその場に座り込んだ。
「……俺は…シイとは違う。……お前たちを完全に信用したわけじゃない。……たぶん…千秋もそうだ。」
「……」
「…でも……今は協力する。持ち主がこの状態の今…戦闘は苦しいだろう………灰音と…安全な所にいろ……。」
燕の言葉にエレジーは何も言わず頷いた。
「…千秋、シイ。……俺が矢印から二人を守る…。……思いっきり戦ってくれ。」
「もちろんだよ!」
「ありがとう、燕!」
駆け出した千秋がトキに蹴りを繰り出す。
それをトキがかわすと同時に矢印が千秋に向かう。
すると千秋と矢印の間に白い壁が現れ、千秋を守った。