バケバケ
壁が消えると同時に再び千秋がトキに回し蹴りする。
トキはそれを体を反って後ろに避けた。
チャンスだ…!
俺は粒子化し、トキの後ろに回った。
そして薙刀をトキに突き立てる。
この体勢なら避けられないだろ。
トキと目があった。
笑っていた。
心臓を握られた心地だった。
でも…これで終わりだ!
「残念だ。」
「……?」
一瞬、時間が止まった気がした。
トキの口元は変わらず笑みを浮かべている。
「あははは!!」
トキの笑い声が響く。
トキの体から小さな無数の矢印が溢れ出す。
「!」
俺はなんとか薙刀で矢印を弾いた。
トキが体勢を立て直す。
「いいのか、弾いて?」
トキが千秋の方を見る。
俺が弾いた矢印の尖端が全て千秋の方に向いていた。
「千秋…!」