バケバケ






体の中が熱い。


内側から燃えているみたいだ。


そして俺に訴えかける。






―使エ。


オ前ニハマダ、
チカラガアルダロウ?―






俺の中で脈打つそれは今にも俺を飲み込みそうだ。


これは…


契約の力。






そうか、バケバケの能力が使えないのなら、契約の力を使えばいい。


熱い…


黒い炎が俺に言ってる。






―サァ、私ヲ使エ。―






ステ神の言葉が思い出される。




「その炎が体全てにまわった時、お前は黒い炎に焼かれて死ぬ。」




自分のことは、自分が一番分かってるつもりだ。


だから気がついている。


自分の限界に。


おそらくこれが最後だ。






黒い炎を使ったら


俺は死ぬ。






それがなんだ。


俺なんかより大事なものが目の前にあるんだ。






< 418 / 469 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop