バケバケ
体の中が熱い。
内側から燃えているみたいだ。
そして俺に訴えかける。
―使エ。
オ前ニハマダ、
チカラガアルダロウ?―
俺の中で脈打つそれは今にも俺を飲み込みそうだ。
これは…
契約の力。
そうか、バケバケの能力が使えないのなら、契約の力を使えばいい。
熱い…
黒い炎が俺に言ってる。
―サァ、私ヲ使エ。―
ステ神の言葉が思い出される。
「その炎が体全てにまわった時、お前は黒い炎に焼かれて死ぬ。」
自分のことは、自分が一番分かってるつもりだ。
だから気がついている。
自分の限界に。
おそらくこれが最後だ。
黒い炎を使ったら
俺は死ぬ。
それがなんだ。
俺なんかより大事なものが目の前にあるんだ。