バケバケ
空から黒い炎の気配を探す。
どこだ…?
この気配はどこから…
…こっちだ。
昭仁の家の近く。
ここだ。
ボクはついにシイの居場所を突き止めた。
この竹やぶの中…
ボクは地上に降りた。
しかし、そこにシイはいなかった。
いるのは燕と中森の小僧、それに前に会った生意気な青年、金髪の女のバケバケ。
「……ステ神様。」
燕が私に気がついた。
中森の小僧を抱えていた。
何やら様子がおかしい。
ひどく震えて何かに怯えているような…
「燕…そいつはどうしたのだ?」
「……トキが…」
「トキ?」
やはり…
ボクの勘は正しかった。
こいつ…トキの能力にやられたのか。
「燕、そのガキをよこせ。」
ボクは中森の小僧を見た。
これは酷いな…
それからボクは灰音とかいう青年を見た。
体を貫かれ、腹から大量に血が流れていた。
「…こいつもトキがやったのか?」