バケバケ




箱の中から黒い炎の強い気配がする。


「シイ…。」


この気配…もう…






―カタ…






「?」


突然、箱がカタカタと揺れだした。


「なんだ…?」


箱が熱い。


「…これは…まずい!みんな、箱から離れろ!」


ボクは箱を放り、箱から離れた。


箱が縁から徐々に崩れ出す。






箱は一瞬光を放ち、完全に消えた。


そして、黒い煙と共に現れたのは、ボクの想像を遥かに越えるものだった。






「シイ…お前、シイなのか?」







箱の中から出てきたシイは、真っ黒な炎に全身を覆われていた。


契約の印である炎を模した刺青が、右目近くまで広がっている。


「シイ!」


シイに近づこうにも炎の力が大きすぎて近寄れない。


< 425 / 469 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop