バケバケ
箱の中から黒い炎の強い気配がする。
「シイ…。」
この気配…もう…
―カタ…
「?」
突然、箱がカタカタと揺れだした。
「なんだ…?」
箱が熱い。
「…これは…まずい!みんな、箱から離れろ!」
ボクは箱を放り、箱から離れた。
箱が縁から徐々に崩れ出す。
箱は一瞬光を放ち、完全に消えた。
そして、黒い煙と共に現れたのは、ボクの想像を遥かに越えるものだった。
「シイ…お前、シイなのか?」
箱の中から出てきたシイは、真っ黒な炎に全身を覆われていた。
契約の印である炎を模した刺青が、右目近くまで広がっている。
「シイ!」
シイに近づこうにも炎の力が大きすぎて近寄れない。