バケバケ
シイの向かいにはトキがいた。
その隣に洋子がいる。
「洋子、そっちにいたらお前を巻き込みかねない!こっちに来い!」
「イヤ!」
洋子はトキの後ろに隠れた。
…どういうことだ。
洋子はシイの持ち主になったんじゃなかったのか?
なぜ洋子はトキの味方を…
シイは黙ってトキを睨み付ける。
「どうした、シイ?私から洋子を取り戻すのだろう?」
「やかましい!すぐに取り返してやる…」
トキが動き出した。
トキの体から大量の矢印がシイに向かって飛ぶ。
「お前にも見せてやる。…中森のようにな。」
凄まじい速さで矢印がシイを襲う。
シイはそれをさらに越える速さでかわした。
なんだこの桁違いの戦いは…
黒い炎は元々はボクの力だ。
だが…ここまでシイの身体能力をあげるとは。
シイは矢印を避けた勢いでトキに突っ込む。