バケバケ
後ろから肩を叩かれた。
「おはよ!」
同じクラスの瑞穂だった。
「おはよ。」
「一緒に行っていい?」
「うん、いいよ。」
瑞穂とは高校に入ってから友達になった。
切れ長の目に長い黒髪をいつもポニーテールにしている。
瑞穂は中学生の時からバンドを組んでいて、その中でポニーテール担当らしい。
メンバー間で髪型が被らないようにするためだとか。
バンドは最近解散したらしいが授業中机でリズムをとったり、まだポニーテールをしているところを見ると、本当は続けたかったんじゃないかとも思う。
たしかドラム担当だった。
「ねぇ洋子…。」
急に改まって瑞穂は言った。
「この前バンド解散した話したじゃん?」
「うん。」
瑞穂の表情が暗い。
何かあったんだろうか。