バケバケ
嫌だ…
このままじゃシイが…
私は手に握っていたトキの時計を見た。
この秒針を見れば…
すぐに終わる。
まだ間に合う?
シイは助かる…?
「トキ…」
私はトキに訊いた。
「この秒針を見たら…私はどうなるの?」
「気になるか?」
私は頷いた。
「いいだろう、教えてやる。お前が秒針を見たとき、お前の心はこの時計の中に閉じ込められる。」
「…それから?」
「それと同時に昭仁は生き返るのだ。安心しろ、痛みはない。」
「……」
「昭仁さえ手に入れば、私はこの場から消えよう。」
トキが私の髪を触った。
「そうなれば、シイはもう戦う必要がなくなる。」
トキの指の間から、髪がさらさらと落ちていく。
「シイが死ぬことはない。」
時計を強く握り締める。
…怖いよ。
どうなるかわからない。
未来は見えない。
だけど…
私の選んだ未来は…