バケバケ
待って…
この男の子…
今始めて顔をはっきりみたけど…私この子知ってる。
つい最近会った。
愛空幼稚園に行った時…
そういえばあの時も、どこかで見たことある気がしたんだ。
もし…同一人物なら…
私は男の子を見た。
切れ長の綺麗な目、黒い髪…
知ってる…
この雰囲気も、この表情も…
この男の子は……
小さい頃のシイだ。
私、こんなに小さい頃からもうシイに会ってたんだ。
愛空幼稚園でシイの子供の頃の姿を見たとき、変な感じがしたんだ。
初めて見るはずなのに懐かしいって…
男の子と目が合う。
すると男の子は木の陰に隠れた。
この男の子が本当にシイなら、どうしてあの頃の私は話し掛けなかったんだろう。
もし、話し掛けていたら…
友達になってたら…
シイともっとたくさん過ごす時間があったのに。
もっとシイのこと、知れたかもしれないのに。