バケバケ
灰音もエレジーも千秋も燕さんも…みんな無事だ。
良かった。
「灰音、シイは?」
シイには謝らなくちゃ、ずいぶん酷いことを言った気がする。
それにお礼言わなくちゃ。
「……。」
「今シイはどこにいるの?」
「……。」
灰音は黙ったままだ。
「ねぇ…」
私は他の三人の方も見た。
みんな何も言わない。
「あのな…洋子、…」
灰音が口を開いた。
「お前を助ける時、シイは契約の力を使ったんだ。」
「え…?」
「トキの時計の力に、自分の全ての力をぶつけたんだ。」
「……」
「…わかるだろ?」
…嫌だ
「シイは…」
…嫌だ
聞きたくない…
「シイはどこ?…近くにいるんでしょ?」
「だからシイは…」
「ねぇ、どこに…」
「最後まで俺の話を聞け!」
灰音が怒鳴った。
「…ごめん。」