バケバケ
「どういうこと?」
「気になるなら見に行くといい。…ボクは知らん。」
私はゆっくりと黒い塊に歩み寄った。
黒い塊にそっと手を触れる。
痛い…
なに…これ…?
触れている手じゃなくて、もっと別のところが痛い。
私は塊の中に足を踏み入れた。
真っ暗だった。
そして冷たい。
中央がぼんやり小さく光っている。
私は引き寄せられるようにその灯りに近づいた。
白い光を放ちながら、それは黒く燃えていた。
もしかして…これが…
私は炎の中を見た。
「……!」
中で燃えていたのはシイだった。
「……シイ…体が…」
シイの体は半分がなかった。
黒くボロボロと崩れかけていた。
右腕も肘からしたがない。
「……シイ…」
「だから見ない方がいいと言ったのだ。」
背後から足音がした。
「シイは黒い炎に焼かれた。今も尚焼かれ続けている。消滅も時間の問題だろうな。」
ステ神が私の隣に立ち、燃えていくシイを見つめた。